GOINGKOBE'06 日本最大級のチャリティミュージックフェス

ライブレポート

GOINGKOBEに届けられたライブレポートを掲載しております。

関西で最大の無料フェスというだけあって、午前10時過ぎからポートライナーの乗客はフェス参加者であふれていた。
神戸夙川学院大学アリーナ。目当てのアーティストが始まったのか、急げ急げとみんなが駆け出し、出入り口はややパニックに。
観客との距離が1メートルのMAYAステージ。同じ目線で楽しめるステージだ。
ジャマーバンドが颯爽にプレイしている。
年配のメンバーが中心のバンドだけあって、おじさんたちがノリノリだ。
若い男の子も一番前で、ボーカルを煽っている。これぞGOINGKOBE'07。
ふと立ち止まって聴けるような曲。昭和の癒しが漂う空間となった。
反対側のKSGUステージでは、石川県金沢出身のtick。
南国チックなメロディに、青い照明が海と空をイメージさせる。
ボーカルのささやくような優しい声とキーボード。
お酒を片手に、いかついお兄ちゃんが誰よりもノリノリで聴き入っていたのが印象的(笑)。
メッセージ性の強い「君の力で」で会場一体がtick色に染まった。
MAYAステージでは、ゲンキ de SKA。
さっきまでの空気が一転し、観客が狂う。ボーカルの「踊れ!」の声にあわせて、途中から入ってきた客も皆一斉に暴れだした。とにかくボーカルに対してのレスポンスがすごい。
知っている客が多いのか、その場で雰囲気を掴んだのか、大学アリーナにボーカルの声と観客の声がこだまする。最後にはいつの間にか、最初の倍ほどの観客数になっていて、アリーナ中に人が溢れていた。
KSGUステージではSABOTEN。観客はもうすでにタオルを持ってスタンバイしている。
1曲目で、予想通り観客がタオルを回しだす。それに合わせてどんどん人が集まってくる。
知らない人でもサウンドを楽しめるのがフェスの醍醐味。
ドラムサウンドが主でアップテンポなメロディだけど、問いかけるようなフォークに香りを漂わせる詞が印象的。2人の声が綺麗にハモるのが気持ちいい。
アリーナ中が人でいっぱいになったころ、惜しまれるように終わった。
物販では、アーティスト自身が販売しているところもあった。
すぐさま行列になって、サインを求める者、写真を求める者1人1人にアーティストが丁寧に応えていた。
GOINGKOBE'07ならではのアットホームな一面。
アーティストが他のバンドを楽しんでいる姿も多かった。花団の観客の中にひときわ目立つリーゼント。
なんとジャパハリネットのボーカルだった。周りにはドラム、ベースのメンバーも楽しんでいた。
自らが出るだけでなく、その空間を共に楽しめる。こんな素晴らしいことはない。
なんとも嬉しい光景だった。ライブ終了後、ファンに気付かれていたことは言うまでもない。
セックスマシーン、ガガガSPが出るWORLDステージ。
その中で出演が決まった2丁拳銃。言うまでもなく彼らは漫才師だ。
しかし音楽活動も続けている。漫才師の傍らではなく、真剣に本気モード全開で音楽活動をしている。
それは彼らの音楽に表れている。今日もヒットしたCDから聴けると思い、楽しみに待っていると、小堀の「漫才してもいいですかー!?」の声。正直ビックリ。
しかし彼らは有効に30分を遣ってくれた。漫才で笑いをしっかりとったあと、「歌ってもいいですかー!?」の声で「青春でデストロイ」「セルロイド」と続けて歌う。
数分のMCで「逢いたくて」「青色」「青風」と続けて歌い、観客を煽る。
やっぱりお笑い芸人は人の気持ちをつかむ方法を知っている。
2丁拳銃を知らない人も楽しめるステージとなった。
会場が一体となって感動的に楽しめる。そういう意味では、なんでもありのGOINGKOBE'07。
そしいこの感動は、お金では買えない。
無料フェスのひとつの意味を知った気がした。

(by ビジュアルアーツ専門学校 瓜生田 翔子)


スカッとするような快晴に恵まれたGOINGKOBE'07。
会場となったワールド記念ホールと夙川大学は、炎天下よりもガンガンに熱いライブが繰り広げられていた。
丸1日2つの会場を行き来し、その中から数組の熱いステージングをレポートします!!

Mini SK@ BOX
先日行われたこのイベントへの出演権をかけたオーディションを1位で通過した注目のバンド。
リズム楽器が男の子、管楽器とボーカルが女の子というスカバンド。
ボーカルの声のかわいらしさ、曲のポップさとノリのよさで会場は大盛り上がり。
ステージ狭しと動きまわる楽器隊に、曲中では手拍子をあおったり、タオルを回したりと、見ている人も一緒に楽しめるスタイル。
夏の曲をカバーしたかったと、榊原郁恵の「夏のお嬢さん」を平成バージョンでプレイしてくれたり、ラストは手話を織りまぜた振り付けを会場一体となってやり、楽しさと笑顔溢れるステージとなった。

ワタナベフラワー
暗転の中、テーマ曲が流れ始めると会場に人が一気に流れ込み、あっという間に人だらけの状態に。
そしてメンバーがそれぞれ配置に着くと、ボーカルを呼ぶ声が。
するとボーカルのクマちゃん、客席後方からジェット風船を大量に持ちながら登場。
曲中の振り付けやかけ声も客席は完璧。
一曲目から一体感抜群のパフォーマンス。
そして曲の間奏や、MC中も決して気を抜かせない面白さ。
シャボン玉を飛ばしたり、大きな紙を広げたAD役の人が登場し、「キャー」や「ワー」などを見せて言わせたりと、観客一体となって楽しむことを教えてくてたワタナベフラワー。
地元神戸ならではの熱いライブパフォーマンスを見せてくれた。

セックスマシーン
体育館には人がいっぱい。
熱気が立ちこめている中、少し押して始まったセックスマシーン。
待ってましたとばかりに盛り上がる客席に、一曲目から全員で熱唱。
盛り上がるあまり、曲中にボーカルのGパンのファスナーが壊れるハプニングもあったが、「誰かGパン買ってください!!」とナイスなフォローでさらに会場はヒートアップ。
新曲も披露し、体育館狭しとメンバー、客席一体となって暴れるパフォーマンスは、暑さも吹き飛ばす最高のステージだった。

花団
真っ赤なジャケットに蝶ネクタイと、派手な出で立ちで体育館上部の通路から登場したのは花団のボーカル。
曲中、いきなり走り出したかと思えば反対側のバスケットゴールに上から下へシュート。MC中はつねに笑いの渦が起こり、曲にはオチがついていたりする、なんとも個性的なバンド。
ポップロックな曲調に踊りながら歌うボーカルの姿につられて、客席も一緒になってダンス!ダンス!ダンス!
会場はこの日一番の笑いに湧き、みんなが曲に合わせて踊り狂ったライブパフォーマンスだった。

2丁拳銃
夙川大学でのライブが全て終わったため、ワールド記念ホールに人が集結し、そんな中元気よく登場した二人に歓声が上がる。
曲が始まるのかと思いきや、いきなり始まったのは漫才。
それでも観客は二人から繰り出される笑いの波を楽しんでいる。
漫才が終わるとバンドメンバーが登場。
メンバーはなんと同じ吉本興業のお笑い芸人野生爆弾の二人と、2丁拳銃小堀の中学時代の友人の友人という異色バンド。
それでもロックの王道を走るパワフルな曲で客席を盛り上げた。
MCは当然笑いを忘れない。
けれど曲が始まると二人のかっこよさが溢れ出す。
そのギャップに客席は終始大興奮だった。

(byビジュアルアーツ専門学校 中路 亜紀)


今年のGOINGKOBEには、約2万5000人もの動員があった。
そのなかのリピーター率って、すごく高いはず。
GOINGKOBEの趣旨に賛同して今年も参加した人、無料なの夢のようなメンツが並んでいるのを見て喜んで参加した人、お祭りを見に行く気楽さで参加した人、それぞれがきっと、こうやって集まってきた。
そして来年もこのフェスに足を運ぶんだと思う。

なによりこのフェスのクオリティの高さはスゴイ。
それをは実現してくれる松原さんをはじめ、大勢のスタッフの尽力を忘れてはいけない。
心意気ひとつでノーギャラでステージにあがって最高のパフォーマンスを魅せてくれるミュージシャン。
彼らが作る大きなグルーヴの中で、熱く燃え、心地よくなり、至福の瞬間を味わう。
だからみんな汗だくになって、激しい波に揉まれながら拳を突き上げつづる。

こうして参加することで、このフェスを作り上げる側の一員になったような特別感が生る。
こんなに大きな規模でありながら、音楽と心を共有しあえる空間。
それがGOINGKOBEなんだ。

今年は初の屋内開催。ワールド記念ホール・夙川学園大学の2会場間の移動があったものの、もともと車が少ない場所に加えて、誘導・警備スタッフのおかげで特にストレスも感じることなく進行された。

3年目にして初(!)の快晴のなか、多くの人が快適に過ごせたはず。
1会場2ステージで会場内は音被りもなく、特にワールド記念ホールは、ワタナベフラワーいわく「ミーシャ級」の大きさで、普段はありえないような超スケールらしい。

音響も照明もしっかりしていて、本当に頭がさがる。
夙川学園大学を含めたすべてのステージに関わる者たち全員が、本気で観客を楽しませようとしていることがとにかく嬉しい。
熱い魂が、ビシビシと伝わってくる。
なによりもそんな姿勢が参加者をいっぱいの笑顔にして、このGOINGKOBEをどこにもない最高のフェスにしているのだと思う。
僕はそんなGOINGKOBEだからこそ、大好きだ。

各アーティストのアクトはもちろん素晴らしく、総勢66組!
初参加のアーティストも3年連続出演のアーティストも、「最後まで楽しもうぜー!」と叫びながら、ライブハウスじゃ見せることのない表情で、楽しそうに音を鳴らしていた。

ここではすごくアーティストと近いような感覚になる。
このフェスに特別な思いを抱いて出演しているアーティストも、純粋に楽しみに来ているアーティストも、GOINGKOBEだから、ここに来ているのだ。

気持ちの位置がきっと僕たちと同じだから、いつもより近くに感じるのかもしれない。
会場内で、出演アーティストと普通にすれ違うのも、その一因かも。

今年も大トリを勤めてくれたガガガSP。
きっとここに、GOINGKOBE そのものが詰まっているような気がした。
コザック前田のMCが心に突き刺さる。
当たり前にライブに来れて、当たり前に歌が歌えるということが、決して当たり前じゃないということ。

そう、生きてさえいれば、それでいいんだ。だから僕たちは、もみくちゃになりながら、拳を突き上げて叫ぶんだ。
普通に、平凡に生きている僕らの人生を叫ぶんだ。
それだけでいいんだって、叫びつくすんだ。
それを実感するために、このGOINGKOBE があるんだ。
命があることの素晴らしさを忘れないために。
それをより多くの人に感じてほしいから、無料フェスのスタイルになったし、2万5000人は笑顔になった。
このフェスに参加することは、それはものすごく尊く、貴重な体験だ。

笑顔であればいいのだ。それが、このフェスの一番の宝物。
ルールを守り、募金をし、Tシャツを買い、松原さんをはじめスタッフ、ミュージシャンへの感謝の気持ちとGOINGKOBEを受け止める心を持つ。

それさえあれば、自由に笑っていてほしいと僕は思うのだ。
難しいことじゃないだろう?
あとは、その笑顔がより多くの人へと繋がっていけばいい。
このフェスを作り上げてくれた皆様に心から感謝します。

ありがとうございました。

(by ビジュアルアーツ専門学校 池田 貴充)